
システム導入後の効果
10時が平和になった
――システムの導入効果が出ているなと感じたエピソードはありますか?
新藤様: 「(開館時間の)10時が平和になった」という話をもらっています。システム導入前、連雀(コミセン)さんは市役所側に「10時30分までは電話しないでほしい」と言っていたらしくて。
山下様: 私は10時30分までは電話をかけないようにしていました。特に連雀さんは部屋数が多く、利用したい人が多いため、予約をしたい人が並ぶために「部屋の予約の方はこちら」という立て看板があったんです。もうテーマパークのアトラクション待ち行列みたいな感じですね。
古張様:案内板を設置し、職員が列の整理も行っていました。それがなくなっただけでもずいぶん違いますね。
山下様: 10時の開館時に、先着順の予約申し込みに並ぶ人と、当日部屋を使うために鍵を貸して欲しい人が同時に入っていたんです。
古張様: それを捌いていくのは本当に大変でしたね。
山下様: 連雀コミセンの予約の初日、4月1日に様子を見に行ったんです。そしたら順番待ちの看板が窓口の端に追いやられていて。コレいらなくなったね、と感動しました(笑)。
操作しやすいシステムで、稼働日も平和だった
――職員様の配置も変わりましたか?
古張様: 配置自体は変わってはいないのですが、朝、その業務に携わっていた分を別の仕事に使えるようになりました。
新藤様: 朝の30分って大きいですよね。井の頭(コミセン)は部屋の数が少ないのでもともと連雀ほどの混乱はなかったですが、それでも鍵の貸し出しを行う人と予約申し込みで訪れる人は同じ時刻に重なりますので、窓口カウンターがごちゃごちゃしている状況でした。システム導入後は鍵を渡すだけなので、来た順番に対応してくだけで本当にすっと流れていきます。そこはシステムの導入効果として一番大きいことだと実感しています。また、YECさんの施設予約システムは、比較的操作系がわかりやすいと思います。私も4月1日は、問い合わせが殺到したり、窓口にもわからないという人が来たりするかと思って構えていたのですが、全く混乱がなかったです。正直、スタートして2週間ほどはとんでもないことになるんだろうなと思っていましたが、どこも平和でしたね。なので、6月にスタートする残り5館も、実際に運用を始めると、意外と平気なのではないかと思っています。
閉館前の一仕事がなくなった
山下様: あとシステムの導入として大きいのは、ホワイトボードに書かなくてよくなったことですね。連雀(コミセン)さんはもともとサイネージを導入されていましたが、毎回エクセルで利用状況を入力してそれを表示させる、という手作りサイネージでした。他の館は大体大きなホワイトボードがあって、部屋名が書いてあるところに団体名が書かれたマグネットを貼ったり、何時からどこが使うという情報を毎日書いたり消したり…という運用をしていました。
西澤: 最初の打ち合わせの帰りにホワイトボードを見せていただきましたよね。そこで、その作業を毎日やっているのか…と知りました。
新藤様: 閉館前に行っていたその一仕事がなくなったのは大きいですね。
若い世代の利用が増加
――皆さんは日々利用者様と近い距離で関わっていらっしゃるかと思いますが、リアルな声は何か届いていますか?

古張様: やっぱり並ばなくてよくなったっていうのは利用者さんからも聞きますね。また利用者様からの声ではないですが、連雀コミセンでは実際の成果として、今まで利用してこなかった30~40代くらいの若い世代の方のご利用が増えています。2025年3月頃に利用者登録の受付を開始してから現在(取材当時 2025年5月16日時点)までで、15~20ほどの団体が新規でご登録されています。
新藤様: 連雀(コミセン)は、潜在的に使いたいと思っている方が多かったんだと思います。
山下様: 使いたくても時間的に登録や申し込みに行けなかったり、分かりにくかったりしたんですよね。
新藤様: そう、分かりやすくなったことが大きいですね。
山下様: 恐らく今後も増えていきます。既に7か所で登録は開始しているのですが、どこも概ね微増している状況です。予約しやすくなったなら使ってみようかな、という団体・グループがこれからも増えてくると思います。
新藤様: 地域性があるので他の館でも一律同じようにはいかないと思いますが、恐らく何年かすると各館これまでと違う層の人が使うようになっていると思います。今回、ウェブサイトも同じタイミングでリニューアルしたので、行事のお知らせなども更に丁寧に出していくと、新しい方がコミセンに出入りするようになり、予約システムにも目がいくようになる。そこで、部屋を使ってみようかなという人が増えてくること、あるいは、今までと違う人にも使ってもらえるようになること、という2つが一番期待しているところです。また、そうなっていかないといけないと思うんですよね。
市民が使うシステムはスマホがメインに
山下様: 今回YECさんに新たな取り組みとして、利用者様向けマニュアルの作成と、利用者説明会のご対応をしていただいたんですよね。このマニュアルに関しては、平野さんがせっかく作ってくれたのに申し訳ないぐらい、「目次はこれでいくので、あと画面を貼り付けてください」というように私の方でも一緒に作らせていただいたのですが、その成果として、利用者側の操作はこれで大丈夫というようなマニュアルが出来上がったのは、一緒にできて良かったポイントだと感じています。
西澤: 実は弊社としても、スマホ版だけでマニュアル作成と説明会実施を行ったのは今回が初めてでした。パソコン版であれば、今までも利用者様向けマニュアルを作ったことがあったんです。でもどこかの打ち合わせで、山下さんがスマホの方がいいんじゃないかと言ってくださって。
山下様: はい。利用者様の9割がスマホから操作しています。実際に利用者説明会へいらっしゃる利用者さんが操作しているのも、ほぼスマホです。
新藤様: 今回、スタート時点ではパソコンベースで考えていましたが、スマホも使わなきゃだめだよねっていう条件だけ付けたんです。実態はスマホでしたね。これは今回のプロジェクトでやってわかった。管理側はパソコンじゃないと大変ですが、市民の人に使ってもらうサービスのメインはスマホ、もしくはタブレット向けに変えていかなきゃいけない時代になったと感じました。
山下様: 若い人たちも、自分用のパソコンは無くてもタブレットなら持っているという方が多いと思います。なので、タブレットやスマホへの対応が必要になっていると感じています。

YECの評価
相談レベルからお付き合いできるパートナー
――どんな方にYECをお勧めしたいですか?
新藤様: 公共機関も色んな形でICTツールの活用を進めてはいますが、やはりまだお役所仕事的な部分が残っていて、紙ベースで仕事を回していることも多いと思います。しかし公的なセクターは効率化というよりは新しいサービスに繋がるような仕事をこれからやっていかないといけない、というか、そうしないと多分生き残れないんですよね。なんか色んなことをやんなきゃいけないんだろうな、いつまでも走り続けるのかなって。YECさんは色んなソリューションを持っているので、そういった部分でパートナーとして一緒に仕事ができるところがいいなと感じております。
古張様: そうですね。YECさんは、うちみたいに内部でまとまってないようなところも一緒に考えて進んでいただける心強さがあるので、そういったパートナーを求める団体にはお勧めできるかなと思います。
山下様: どうしようかなという相談レベルからお付き合いできたらいいのかなっていう気がしますね。もうプロポーザルの段階できっちり仕様が固まってこれで業者さんを決めます、というレベルからじゃなくて、その仕様の作り方が分からないとか、現状をどう変えたらいいのか分からないとか、まずは相談相手になってほしいみたいな、そういうところを対応してくれる会社さんかなと思います。
新藤様: 実際そのニーズは多いよね。なんとなく課題は感じているけど、どうしていいか分からない。
山下様: とにかく相談に乗ります、一緒に取り組みます、という姿勢が本当にありがたかったです。
――貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
全: ありがとうございました。

お忙しい中、貴重なお話をいただきましてありがとうございました。
※ 取材日 2025年5月16日
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。