
システム業者選定
一緒にやっていくパートナーとしてYECが望ましいと思った
――業者選定にあたり、弊社の印象はいかがでしたか。
古張様: YECさんは、こちらの質問に最も的確に答えていた印象を受けました。事前にきちんと調べて、プレゼンに臨んでいただいているんだろうなというのが第一印象です。
新藤様: 私も質疑応答の際、YECさんは本当によく調べてきていただいたと感じました。選定に際し得点表も作り評価しましたが、機能面に関しては他の事業者さんとほぼ遜色ない状態でした。最終的には、「一緒にやっていくパートナーとしてどちらが望ましいか」というところが決定ポイントになりました。YECさんは、プレゼンも楽しそうだったのがすごく印象に残りました。
西澤: そうですよね。楽しかったんですよ。そもそも今回のご提案にあたり最初に調達仕様を見た段階では、よくわからない点が多かったんです。まず住民協議会ってなんだろう?って。そこで住民協議会の成り立ちを調べて、長い歴史があることや住民の皆さんが運用していることは理解したのですが、まだよくわかりませんでした。どなたに向けて、どうプレゼンをしたら喜んでいただけるのかっていうのがなかなかうまく検討できなくて。先ほどホームページがバラバラだったというお話がありましたが、プレゼン時点で弊社は、そのバラバラな各運用を尊重していきたいのかと理解していて、「各施設の話をそれぞれちゃんと聞きます」「運用が揃っていなくても一本で入れられます」という提案をしてしまったので、本当に皆さんが望んでいたところからすると、恐らくちょっとずれていたのではないかと心配でした。

山下様: 私はプレゼンの場にいなかったのですが、最初の打ち合わせ時点では各施設バラバラに独自の運用で進めたいという強い意志があったのも事実だと思います。住民が今までできていたことができないと感じるのも懸念点だったので。正直ここまで施設ごとに運用がバラバラだと一本のシステムには入らないのではないかと思っていたのですが、YECさんは柔軟性のあるシステムなんだと感じ、安心感がありました。
西澤: それを聞いて安心しました。実際プロジェクトが始まってからも、事務局の皆さんに調整をしていただきましたが、やはりどうしても譲れない運用などのご意見は結構出ましたよね。
山下様: 今は、どうしてもというご意見が少なくなってきました。やっぱり(他の施設と)一緒でいいです、というように。落ち着いてきた印象です。
新しい利用の促進と、地域コミュニティの拠点となる施設を目指して
西澤: 皆さんの中でも運用を共通化していくことが浸透して、メリットを体感していただけているのでしょうか。
新藤様: 少しずつ、当初の企画意図が伝わったんじゃないかな。
山下様: もともと三鷹市のコミセンは50年間住民たちで運営してきたので、40年、50年と関わっている人もいらっしゃいます。住民のためとしながらも、結局は関わっている自分たちの視点でしか運用できず、新しい利用者が増えていない状況でした。また、これは三鷹市だけではないと思いますが、最近地域のつながりもだんだん減ってきたため、コミュニティの再活性化も課題となっていました。そのため今回のDXの取り組みでは、公共施設をもっとわかりやすく、今まで使ったことがない人にも使えるようにするという目的があることと、みんなでそれを目指したいということを各施設担当者による会議の場で何回か話をしてきました。そこから、新しい人にどうしたら使ってもらえるか?また、7か所それぞれの地域のコミュニティの拠点となるためにはどうしたらいいのか?という2点の議論に集約されてきました。
丁寧に作った得点表で公平に審査
――システム業者選定にあたって、7か所ある中で皆さんの意見はバラバラにならなかったですか?
新藤様: 得点表を丁寧に作りました。大変だったね。
山下様: 大変でしたね。私、何の仕事しているんだろう?ってなりました(笑)。
古張様: でも得点表があったおかげで、評価はしやすかったです。
新藤様: 先入観なしに事業者さんの動向を比較できるよう、かなり丁寧に作りました。プレゼンの時、あるいは事前の資料の採点も含めて極力公平になるように得点表を作ったのは大きかったです。
山下様: どのようなプロポーザルにするのかという点数の配分や観点などある程度の案は作った上で、各施設担当職員全員で協議しました。ここを重視しようとか、こう入れ替えをしよう、という感じで調整して、当日に臨みました。
YECとの関係性
YECは色々質問しても大丈夫という雰囲気
――プレゼン時と現在とでYECの印象は変わりましたか?
新藤様: 良い方に変わりました。本当によく対応してもらっていると思います。恐らく私は事業者さんと関わった数が多い方だと思いますが、こんな距離感でいられる会社はそう多くないです。一般的には契約後、お互いに理解の齟齬があったりしてトラブルが起きることもあると思いますが、今回のプロジェクトに関してはそういったことが起きていないですね。中には難しい課題も出てきましたが、なんとか妥協点をお互いに探せるという関係性が作れたことは、すごく大きいと思います。なかなかこんなに短期間で課題山積の状況だったところを解決できることって多くないと思います。
山下様: YECさんはNECグループということもあり、堅い会社なのかと思っていましたが、打ち合わせを通して割とフランクな感じの会社という印象を受け、色々質問しても大丈夫かなという雰囲気を感じました。
新藤様: そうですね。そういう関係性が良い。YECさんは決して大きい会社じゃないけど良い会社だなっていう印象を持っていたので、その印象はそのままですね。
わかりやすい職員研修
――ご契約後のYECの対応についても教えてください。職員操作研修などはいかがでしたか?
古張様: 研修は、しっかりやっていただいてわかりやすかったです。テストサイトに全然触っていなくてそこで初めてシステムに触れる、という職員もいましたが、研修の中でしっかりポイントを押さえて説明していただいたので、その場でやり方をつかめたようでしたね。
できないだろうな…を実現してくれたのがありがたかった
――システムの構築期間についてはいかがでしたか?

新藤様: 構築期間では、最初に先行して稼働させる2館でマスタ設定のヒアリングがありました。初回は4時間ほどかかりましたが、あの場でこちら側のニーズも正確に伝えられたし、協議する中で調整が必要な課題もある程度見えてきました。それを他の館にも展開して、2~3回目のマスタ設定ヒアリングの時は前回の話をベースに進められため、非常にスムーズにできて、時間は初回の半分くらいまで短縮できました。先行2館で時間をかけてやり取りをする中で、システムとして提供してもらえる機能と、我々が感じているニーズとを、上手いこと擦り合わせることができたなと思います。YECさんのヒアリングの中で、システムとしての動き方、振る舞いみたいなものがある程度イメージできたので、そこから先はだいぶ違いましたね。細かいところは、テストサイトを使いながら色々見つかることもありましたが、最初の長時間にわたる調整は、結構効いているかなと思います。
山下様: 先に進めた2館はもともと市の情報推進課にいた新藤さんが先導してくださり、密に話ができていて良かったのですが、その他の5館では苦戦しました。マスタの説明をしても上手く伝わらず、後になって覆り設定を変更してもらったりすることもあったので、私のほうで舵取りができず申し訳ない部分もありました。ただ逆に捉えると、とても柔軟なシステムだとも感じました。大体のパッケージシステムは「あれはできません」「これはできません」と言われることがとても多いので、多分ダメだろうな…と思いながら平野さんと西澤さんに「ダメ元で言ってみるんですけど」と聞いてみると、あっさり「あ、それできますよ」と言われる場面がいくつかあり、非常に助かりました。
新藤様: 何度もあったね。
山下様: 例えば今回、サイネージで閉鎖情報を出すという改修をお願いしたのですが、サイネージだから対応は難しいだろうと思いながらも聞いてみたら、やっていただけると回答をもらえて。とても助かりましたね。また、それぞれの館で閉館時間が異なるのも、そんなのあり?と思っていましたが、対応していただけるというお話をいただけたんです。
新藤様: 本当は、全ての館で時間を揃えようかという議論もしていましたからね。
西澤: 1コマの時間についての議論、ずっと決まらなかったですよね。
山下様: そうなんです。YECさんは、できないだろうと思っていたことに対してご提案いただいて実現できたことがいくつかあったのが、すごくありがたかったですね。最近で言うと、空き状況をワンクリックで表示できるURLをつくる方法についてもご提案いただいたのですが、それがとても良くて。今は全ての館でその方法を実践しています。