2025年11月5日 豆知識

【緊急警告】進化するランサムウェア攻撃への備えは万全ですか?

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最近の話題:ランサムウェア被害の現状

近年、ランサムウェアによる被害のニュースを耳にする機会が増えています。
従来の単純な暗号化による攻撃から、データの窃取(搾取)も伴う「二重脅迫型」へと進化している点が大きな特徴です。

被害を受けると、システム復旧だけでなく、以下のような対応が求められます。

  • 個人情報保護委員会への報告
  • 第三者委員会の設置
  • 対外的な復旧宣言
  • 被害者への告知や説明、場合によっては補償

特に、機密情報の流出を伴う場合は、関係機関への報告や被害者対応など、膨大な時間と労力が必要になります。

最近の被害事例

  • A社:業務停止とデータ流出による信頼低下
  • B社:顧客情報漏洩により賠償対応を含む大規模な影響
  • その他:製造業・自治体などでも被害多数

被害企業では、以下のような復旧作業が必要になりました。

  • フォレンジック調査による被害範囲特定
  • インフラ環境の完全再構築
  • 個人情報保護委員会への報告対応
  • 第三者委員会の設置と調査
  • 顧客への説明・信頼回復施策
  • システム復旧までの代替業務フロー構築

ランサムウェアとは何か

ランサムウェア(Ransomware)は、感染したコンピュータやネットワーク上のデータを暗号化し、復号のために身代金(ランサム)を要求するマルウェアの一種です。

感染経路と動作

  • 感染経路
    • メール添付ファイル(フィッシングメール)
    • 悪意あるWebサイトへのアクセス
    • ソフトウェアやネットワーク(VPN・ファイアウォールなど)の脆弱性を悪用
  • 動作の特徴
    • ファイル暗号化に加え、機密情報や顧客データを盗み出す(二重脅迫)
    • 復号キーと引き換えに仮想通貨での支払いを要求
    • 支払い拒否・遅延で「盗んだ情報を公開」と脅すケースも増加

従来型 vs 標的型ランサムウェア

特徴従来型標的型
攻撃対象不特定多数(個人・小規模企業)特定企業・団体
感染経路無差別拡散綿密な侵入・脆弱性攻撃
目的小額の身代金徴収高額な身代金・情報搾取
被害範囲PC単体など限定的組織全体・バックアップ含む
情報搾取なしあり(公開脅迫付き)

なぜ被害に遭うのか?セキュリティ上の課題

主な原因は、システム・人・運用の三方向に存在します。

主な課題

  1. 脆弱性管理の遅れ
     ・パッチ未適用や古いOSやソフトの使用
     ・設定不備の放置
  2. アクセス制御の不備
     ・特権アカウントの乱用
     ・多要素認証(MFA)未導入
  3. 監視体制の不足
     ・不正アクセスの検知が遅れる
     ・インシデント対応チームが未整備
  4. 従業員の意識不足
     ・セキュリティ教育の欠如
     ・フィッシングメール対応力不足

具体的侵入経路

  • VPN機器やRDPの脆弱性を悪用
  • ファイアウォール設定不備
  • フィッシングメールによる情報窃取
  • サプライチェーン経由の侵入

必須対策チェックリスト

あなたの組織では、以下の対策は実施できていますか?

エンドポイント対策

  • EDR(Endpoint Detection and Response):端末上での不審な挙動を検知・対応
  • XDR(Extended Detection and Response):ネットワークやクラウドまで統合監視
  • MDR(Managed Detection and Response):専門家が24時間体制で監視・分析

ネットワーク対策

  • 次世代ファイアウォールで不正通信を検知・遮断
  • ネットワークのセグメント分離による被害拡大防止

サーバ・端末設定

  • OSやアプリの定期更新
  • アカウント権限の最小化
  • 多要素認証(MFA)の導入

バックアップ体制

  • 定期的なバックアップ取得
  • オフラインバックアップで外部攻撃から保護
  • イミュータブルバックアップ(Immutable Backup):書き換えや削除を防ぐバックアップ形式
  • 定期的な復旧テストの実施

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まとめ:感染リスクと対策優先度

感染する主な理由

  • セキュリティ対策の不備
  • 従業員教育の不足
  • 脆弱性放置

感染後の影響

  • 業務停止による損失
  • 復旧費用の増大
  • 信用失墜
  • 顧客対応コスト(賠償金発生を含む)
  • 規制対応コスト

優先すべき対策

  1. 専門家へのセキュリティ相談・診断を実施し、現状把握と改善策を検討
  2. ネットワークセグメント分離による被害拡大防止
  3. EDR/XDR、MDR導入による早期検知体制の確立
  4. オフライン・イミュータブルバックアップによる復旧力の強化
  5. 多要素認証(MFA)の全社導入

標的型ランサムウェアは、被害が甚大化しやすく、復旧にも多大なコストと時間がかかります。
「自社は狙われない」と思わず、今こそ備えの強化を。


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