奨励会試験
8月15日にこの文を書いています。明日は大型台風が来るかも、というニュースで持ち切りですが、同じく明日から年一回の奨励会試験が始まります。
奨励会とはプロ棋士の養成機関です。棋士を目指す者が所属し、卒業した者がプロ棋士になることができます。
受験者の約2割が合格となり、奨励会に入会できます。その合格者の中でプロ棋士になることができるのは1~2割と非常に厳しい世界です。養成機関といっても先生が将棋を教えてくれるわけではなく、会員同士がひたすら将棋を指して、成績がいい人は上がっていき悪い人は落ちこぼれていく弱肉強食の世界です。
僕も14歳から26歳まで奨励会に在籍していましたが、卒業できず年齢制限で退会となりました。そのあとプロ棋士になることができましたが、それはあくまで特例のことでした。詳しくは自著「泣き虫しょったんの奇跡」をご覧ください。たびたび宣伝すみません(笑)
ちなみに藤井聡太さんは中学生のとき14歳で卒業しました。さすがにモノが違います。
奨励会を受験するためには棋士に弟子入りしなければならないのですが、今回私の弟子一名が受験します。いま高校生です。小学生で入会が一般的ですので、かなり遅い受験になります。
若ければ若いほど有利なこの世界、正直なところ入会してからの苦労を考えると、合格を手放しで喜べない部分もあります。ただ以前、ある後輩に「結果よりベストを尽くすことが大事」のような凡庸なアドバイスをしたとき、静かに、でも強い口調で「負けて進化はないので、勝たないといけません」とポツリと言われて、「ああそれはそうだ、バカなこと言ったな」と思い直したことがありました。
とにかく勝って次のステージに上がることが、彼の成長につながるはずなので、合格した後の苦労はいま考えることではないですね。健闘を、いや勝利を祈っています。
とその前に台風が心配です。何もこんな日に来なくてもと思いますが、お手柔らかにお願いしたいです。
写真は本文に関係なく、8月に神宮花火大会を観に行ったときのものです。浴衣は暑いけどたまに着るといいものですね。
詰将棋シリーズ 第2回(問題と回答)
最後に詰将棋を出題します。
まず前回(詰将棋シリーズ第2回)の回答です。
【解説】初手▲1一角が急所の一手。△同玉と下段に落として▲1二歩成で詰みの基本である頭金の形となります。
詰将棋シリーズ 第3回
問題です。
3手詰です。ヒントは銀の脇を狙いましょう。
古典詰将棋の有名な筋ですが知らないと難しいかもです。
回答は来月に。