1.プラスチック(ABS樹脂)時代
1980年代から1990年代にかけて、ノートPCの筐体には主にプラスチックが使われていました。この素材は軽量で加工が容易なため、当時の製造コスト削減に貢献しました。また、成形の自由度が高いため、各メーカーは独自のデザインを採用できました。しかし、プラスチックには耐久性や放熱性に限界があり、頻繁な持ち運びや長時間使用する環境には向いていないという問題も抱えていました。
2.アルミニウムの導入
2000年代に入る頃、特にハイエンドノートPCやビジネス向けモデルにおいて、アルミニウムが筐体素材として広く採用され始めました。アルミニウムは軽量かつ強度が高く、さらに金属特有の放熱性に優れているため、長時間の使用でも内部を効果的に冷却できるという利点があります。また、その質感は高級感を醸し出し、製品のプレミアム性を高める役割を果たしました。
3.マグネシウム合金の登場
同じく2000年代中頃には、アルミニウムに次ぐ素材としてマグネシウム合金が注目されるようになりました。マグネシウム合金はアルミニウムよりもさらに軽く、それでいて強度も非常に高いため、モバイル性が求められるノートPCにとって理想的な素材となりました。特に、ビジネスパーソンが多く使用するウルトラブックやモバイルノートPCでの採用が進みました。加えて、マグネシウム合金は耐衝撃性にも優れているため、頑丈さを求めるユーザー層からも高い評価を得ています。
4.カーボンファイバーの採用
高級モデルや特殊な用途に向けて、カーボンファイバーが筐体素材として採用されるケースも増えてきました。カーボンファイバーは、驚異的な軽さと強度を兼ね備えており、耐久性に加えてスタイリッシュな外観を提供します。また、温度変化に強く、変形しにくいという特徴もあります。そのため、厳しい環境で使用されることが多いタフなノートPCや、デザイン性を重視した薄型モデルに多く採用されています。ただし、コストが高いため、一般的な市場での普及は限られています。
5.デザインと機能の融合
素材の進化は、ノートPCのデザインやユーザー体験にも大きな影響を与えます。軽量でありながら高い耐久性を持つ素材が増えたことで、薄型軽量のノートPCが一般的になり、持ち運びが容易で、しかも見た目も洗練されたモデルが数多く登場しています。デザイン性と機能性の両立が求められる中で、筐体素材は今後も重要な要素として進化し続けるでしょう。
このように、ノートPCの筐体素材は時代とともに進化を遂げ、現在では耐久性や軽量性、環境性能を追求したものが主流となっています。今後も新素材の開発が進むことで、さらに優れたノートPCが登場することが期待されます。
YECでは、ビジネスPCの調達やテレワーク端末の手配などを行っております。
お気軽にご相談ください。
\1分でお問い合わせ完了!/