
ゴールデンウイーク
少し前の話になりますが、今回はGWのことを。世間は大型連休でお休みムード一色ですが、棋士にとってGWは“休み”というより“イベントシーズン”です。私自身も、休みと仕事がちょうど半々くらい。のんびりしたような、していないような、そんな連休を過ごしていました。
今年のGWは、4月29日の「シモキタ名人戦」にはじまり、5月3日の「横浜tvkハウジング将棋まつり」、そして5月5日の「世界コンピュータ将棋選手権大会」と、なかなか充実したスケジュールでした。今回は、
そのとき出演したイベントを少し振り返ってみたいと思います。
まずは「シモキタ名人戦」。このイベントのおもしろいところは、下北沢の街そのものが巨大なボードゲーム会場になることです。将棋だけでなく、囲碁、麻雀、チェス、バックギャモン、オセロ、ポーカーなど、さまざまなゲームが屋外で行われ、街全体が知的なお祭りのような雰囲気に包まれます。ゲーム好きなら、歩いているだけでも楽しい空間です。
私は指導将棋がメインの仕事でしたが、麻雀プロでもある鈴木大介九段は麻雀イベントにも参加されていて大忙し。さすが二刀流、いや、しゃべりもあわせれば三刀流くらいの働きぶりでした。
私も空き時間に連珠ロボットと対戦したのですが、なんと勝たせていただきました。おそらく担当の方が「ちょうど勝てそうな強さ」に調整してくださったのだと思いますが、事情はどうあれ勝ちは勝ちです。相手がロボットでも、勝てばやはりうれしいものですね。天気もよく、実に気持ちのいい一日でした。
続いては「横浜tvkハウジング将棋まつり」。住宅展示場「tvkハウジングプラザ横浜」で開催される恒例イベントです。住宅展示場で将棋イベント、という組み合わせは最初は少し意外に思えるかもしれませんが、実際には指導将棋、サイン会、席上対局と内容も盛りだくさんで、毎年多くの方に楽しんでいただいています。
空いた時間には展示場を見学し、案内してもらったりもしました(笑)。もちろん、説明を聞いたからといってその場で家を買えるわけではありませんが、立派な家を見るのはそれだけでも楽しいものです。対局室より広いリビングを見ると、少しだけ夢がふくらみます。
今回は私の地元ということもあって、懐かしい方が会いに来てくださったり、教室の生徒さんが顔を見せてくれたりもして、うれしい時間になりました。イベントは将棋そのものももちろんですが、こうした再会があるのも大きな魅力ですね。
そして最後は「世界コンピュータ将棋選手権」です。これはコンピュータ将棋協会(CSA)が主催し、日本将棋連盟が特別協力して毎年開催している、いわば将棋AIの世界一決定戦。今年の最強AIがここで決まります。
私は久しぶりに会場にお邪魔したのですが、まず驚いたのはその“スマートさ”でした。昔は持ち込みサーバーがずらりと並び、会場は熱気むんむん。「これでもか」と機械がうなりを上げ、見た目にもいかにも最先端という迫力がありました。ところが今はクラウドの時代。会場はすっきりしていて、どこか爽やかです。AIは強くなったのに、会場はむしろ静かになった――なんとも時代を感じさせます。
大会は「氷彗(ひすい)」が優勝。いまやAIは人知をはるかに超える強さとなっていますが、今回はとりわけ先手番の強さが目立つ大会でした。後手番で引き分けに持ち込むと歓声が上がるほどで、先手の優位がかなりはっきり表れていた印象です。
来年以降、この傾向はさらに強まっていくのかもしれません。そうなると、近い将来「将棋の結論は先手必勝です」という日が来る可能性もあります。願わくば、その結論が出るのは私がいなくなった後にしてほしいものです。現役中に「もう答えが出ました」と言われるのは、さすがに少し複雑ですから。
シモキタ名人戦と横浜tvkハウジング将棋まつりは、人気棋士も多数出演しており、入場自由でどなたでも楽しめるイベントです。来年以降、お時間が合いましたらぜひ遊びにいらしてください。将棋ファンの方はもちろん、少し興味があるという方にも十分楽しんでいただけると思います。
そういえばシモキタでは、20数年ぶりにワイイーシーで一緒だった同僚とも再会できました。こういう思いがけない出会いがあるのも、イベントのいいところですね。最後に、シモキタ名人戦で指導将棋をしているときの写真をどうぞ。友人が撮ってくれまして、ついポーズを(笑)

詰将棋 前回の問題と回答
最後に詰将棋を出題します。まず前回詰将棋の回答です。
【前回の問題】

【回答】
▲3五銀△同角▲1四飛△同玉▲1五銀まで5手詰

【解説】
35への逃げ道をうめる初手▲3五銀が急所の一手です。△同角とさせてから▲1四飛と捨てて頭銀まで。私にしては(笑)綺麗な詰将棋でした。
詰将棋
3手詰です。ノーヒントで!
