
新年度になりましたね。入社入学の季節です。新天地での充実した日々を祈ります。
将棋界でも4月デビューの新人棋士がおりますが、何名だと思いますか?
正解は2名。少なさに驚くかと思いますが、これは人数制限があって、原則年4名と決まっているのです。今回はそんな将棋界について書きたいと思います。
まず将棋棋士(プロ棋士)になるには、以下のステップを踏む必要があります。
プロ棋士になるには(前編)
1. 奨励会に入る(プロ棋士養成機関)
• 日本将棋連盟が運営する「奨励会」に入会するのがプロ棋士になるための第一歩。
• 入会試験は年に1回行われ、おおむね中学生以下の若い人が対象。
• 入会時の棋力は、最低でもアマ三段~五段相当の実力が必要。
• 試験には筆記と対局(実技)があり、強さと将棋への姿勢を見られます。
2. 奨励会の段位制度(6級〜三段)
• 入会後は6級からスタートし、勝ち進むことで昇級・昇段。
• 三段リーグまで到達すれば、プロ目前です。
3. 三段リーグを突破する
• 三段リーグは半年ごとに行われる厳しいリーグ戦。
• 上位2名だけが四段に昇段=プロ棋士となります。
• 26歳までに四段に上がれ
なければ原則退会(※特例制度あり)。
4. プロ棋士(四段)に昇段
• 三段リーグを勝ち抜いた者だけがプロ棋士(四段)になります。
• プロ入り後も昇段・タイトル戦・公式戦が待っています。成績次第で強制引退となることもあります。
補足:例外ルート
• プロ編入試験制度:元奨励会員やアマ強豪、女流棋士など、一定の条件を満たせばプロ編入試験を受けられる制度。
僕は中学生のとき全国大会で優勝。意気揚々と奨励会に14歳で入会したものの、三段リーグを抜けられず26歳で退会となりました。おおよそ、奨励会試験合格が受験者の2割ほど。その中でプロ棋士になることができるのが約1~2割ぐらいでしょうか。
僕はそのあと、27歳で大学へ行き卒業後にワイイーシーソリューションズへ入社しました。35歳のとき特例開催のプロ編入試験に合格してプロ棋士となり現在に至ります。
今回は概要です。次回は将棋界のいい面、厳しい面、会社員生活との違いなどについて書いていきたいと思います。
最後に話は変わりますが、前回書きました新しいことについてご報告を。4月より、出身校の神奈川大学で非常勤講師として、将棋をテーマとした授業を持つことになりました。
準備に追われる毎日ではありますが、授業は楽しくやらせてもらっています。将棋の魅力を存分に伝えられるよう頑張ります。もちろん単位もしっかりつけます(笑)。

詰将棋 前回の問題と回答
最後に詰将棋を出題します。まず前回次の一手の回答です。

<詰みあがり図>

詰将棋
<詰将棋>

前回難しかったのでやさしめ3手詰です!ヒントは「金はとどめに残せ」です。