2025年3月31日 プロ棋士瀬川晶司コラム

プロ棋士瀬川晶司さんのコラム (第11回) 「順位戦のこと(後編)

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「順位戦のこと(後編)

 前回コラムに書きました、順位戦最終戦は3/11に名古屋対局場で行われました。結果は大激戦の末、なんと勝つことができました!

 これで今期順位戦は6勝4敗で終了。首位の相手に勝てた上に勝ち越しボーナスで降級点も消去できましたので、大きい一勝でした。ここ数年でいちばん嬉しい勝利だったかもしれません。

 ここで急ですがちょっと甥自慢をさせてください(笑)。前日3/10名古屋へ移動中に甥の東大合格の連絡をもらいました。合格はかなり厳しいと聞いていたので、相当頑張ったのは想像に難くありません。よくやったなあという思いと、叔父さんもいいところを見せなきゃと、気が引き締まりました。そして勝負前にいい流れが来ている、と言い聞かせました。何事も気の持ちようですので(笑)。

 せっかくなので対局がどういう流れで行われるか知っていただこうと思います。まず順位戦はお互い持ち時間6時間、使い切ると一手1分以内に指さなければなりません。それぞれ棋戦によって持ち時間も異なります。TV対局など20分ほどの持ち時間のときもあります。

 本局は10時に開始し、昼食休憩、夕食休憩を挟んで、日を跨いだちょうど0時に終了しました。なので開始から終了までちょうど14時間かかったことになります。
 最後はお互い一分将棋でフラフラになりながら指していました。知力、気力、体力など全てあわせた総合力が試されるのが順位戦と思っています。
 相手の池永六段は昇級の一番ではありましたが、競争相手も負けたため同星でも順位が上で昇級となりました。通常ですと、終局後、昇級者には記者の方がすぐ昇級を伝えに来てくれるのですが、この日はそれが無く、「昇級できなかったのかな」と思いましたが、他の対局が長引いていてまだ結果が出ていなかったようです。

 終えて一時半ころホテルに戻りました。祝杯を上げる元気もなく、ベットに横になりました。体は疲れているのですが、頭が冴え切って結局一睡もできぬまま朝を迎えました。対局後はだいたいこんな感じです。
 終わりよければ・・・ではありませんが、今期はいい形で終えることができました。来期は昇級を目指したいですが、まずはいいスタートを切れるよういい状態で6月の開幕を迎えられるように準備します。また自分にとって新しいことも始まる予定なので(追ってご報告します)対局とともに精一杯頑張ります!

※将棋連盟HPより抜粋
 全体表リンク↓
 第83期名人戦・順位戦 C級2組

詰将棋 前回の問題と回答

最後に詰将棋を出題します。まず前回詰将棋の回答です。

詰将棋

池永戦の投了図から一手進めた局面です。
▲8七同金と銀を取ったところで後手番です。先手玉を詰ましてください。有段者向けの難問になりますが、初手だけでもぜひ。

<ヒント>ここから9手詰で最終手は△8九銀

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