川越市斎場のご担当者様に、ワイイーシーソリューションズ(以下Yec)がご提供している斎場の予約・運行を管理するシステム「Seagull-LC 斎場施設システム(予約管理・運行管理)」をご導入された経緯、選んだ理由、効果等について詳しく伺いました。
(川越市及び川越市斎場について)
川越市は、埼玉県の中央部よりやや南部、武蔵野台地の東北端に位置し、109.13平方キロメートルの面積と35万人を超える人口を有する都市です。
平成15年には埼玉県内で初めて中核市に移行し、商品作物などを生産する近郊農業、交通の利便性を活かした流通業、伝統に培われた商工業、豊かな歴史と文化を資源とする観光など、充実した都市機能を有しています。
川越市斎場は、旧斎場(火葬炉5基)の老朽化や高齢化の進行などによる火葬件数の増加に対応するため、平成29年4月1日に市内旭町から小仙波地区に移転しました。
施設は、「心やすらかに別れの時を感じられる施設」、「人と環境に優しい施設」等をコンセプトに建設し、プライバシーが保たれるよう、会葬される方々の動線や諸室の配置にも配慮しています。
施設の予約受付から施設の使用料の収納管理、利用申請・許可事務まで、施設の利用に係る手続きにおいて「Seagull-LC 斎場施設システム(予約管理)」を活用しています。
予約が確定した諸室の利用状況は「Seagull-LC 斎場施設システム(運行管理)」に反映されるので、全部で8つの式場と、火葬待合室、法要室、霊安室等、多数の付帯設備の利用状況をスケジュール表として確認し、一元的に管理しています。
従来は電話で予約を受けていましたが、川越市斎場は年間3,000件ほどの火葬受入をしているため、受付事務を省力化したいといった課題がありました。 そこで、電話による音声応答受付とインターネット受付(WEB予約)を比較検討し、予約1件に係る情報量が多いことから、インターネット受付を選択しました。
新たな斎場に対応する予約システムを検討する中で、埼玉県内及び関東地方における先進事例を調査し、当該システムの存在を知りました。
公募型プロポーザルにて業者選定を行い、Yecもプロポーザルにご参加いただきました。 パッケージシステムの内容だけではなく、システム導入の手法や構築業務体制、価格等について総合的な評価を行ったところ、Yecの提案が他社と比較して相対的に優れていたことから、優先交渉者として選定・契約締結となりました。
新斎場稼働前にシステムを稼働させる必要がある中で、納期までのスケジュールをしっかり管理し、仕様確定等段階的にスケジュール調整を行っていただいて助かりました。
打ち合わせに何度も足を運んでいただき、毎回密度の濃い内容で、こちらの要望をしっかりとシステムに反映できたと思います。 営業担当者には、建設工事に関わるところまで一貫してよく対応していただきました。SEは途中で体制変更もありましたが、グループでよく情報共有されていたようで、特に支障なく調整していただけました。機能の要望に関してもよく聞いてもらえたので、現在の正常稼働に結び付いているのだと思います。
また、施設の予約受付から使用料の収納管理、利用申請・許可事務まで「Seagull-LC 斎場施設」で網羅されておりシステム上で完結できるため、施設の利用に係る手続きを一元的に管理できる点が良いと思います。
施設の予約受付は、従来全て電話で受付していましたが、WEB予約システムを導入したことで、職員の受付事務を削減することができています。
今まで葬祭業者の方は、まず斎場に電話して空き状況を確認し、その後利用者と日程調整し、再度斎場に電話をして…という運用で、時間も手間もかかっていました。WEBであれば空き状況が一目瞭然で、そのまま予約もできるため、葬祭業者の方にとっても利用しやすくなったのではないかと思います。
WEB予約システムをご利用いただく葬祭業者の数は、当初26社程度でしたが、現在では80社程度まで増加しています。なお、電話による受付も行っています。
運行管理システムについては、なくてはならない存在になっています。川越市では火葬と併せて、式場や付帯設備等多数の施設を利用できるようになっていますが、各施設の利用状況が運行管理のほうに反映され、スケジュール表として一元的に管理・確認できるという点が役立っています。 更に、川越市斎場は9:30~15:00の間で30分ごとに火葬受入をしているため、進行管理機能も非常に役立っています。10件を超える葬家の進行状況を同時に管理することは、手作業では困難です。 運行管理システムは火葬受入の状況や、各葬家の火葬業務の進行状況をリアルタイムで確認することができ、複雑な火葬スケジュールをこなしていく上で、重要な役割を担っています。
また、火葬担当者もタッチパネルで予定及び各葬家の進行状況を確認でき、全ての作業者が情報を共有することで、適切な進行が行えています。
葬祭事業において、事務処理の正確さを確保した上で効率化を図ることは重要な課題です。 斎場予約は一般的な施設予約と異なり、火葬に付随して式場や霊安室等の各設備も併せて予約する等予約の取り方も様々であることから、このような運用をシステム上で一通り網羅できるかが重要なポイントになります。
どのような施設運用を行うかということ、それをシステムにどのように反映させて管理していきたいかということについて明確にした上で、システム構築に臨むと良いと考えられます。 特に川越市斎場のように新斎場を建設して新運用を開始する場合は、運用をよく想定して、システム化の範囲を見極めていくことが重要です。
また、運用を正しく想定するには、システム発注前の段階からしっかり仕様づくりをする必要があります。
システム稼働から1年が経過したところですが、現在まで特に大きな支障等もなく、安定的なシステム稼働が行えている状況ですので、引き続きご支援をいただきたいと思います。
システムはマスタで比較的幅広く設定変更できるようになっており、柔軟性があると思います。 パッケージ部分の根本的な機能については、バージョンアップ等について導入自治体に要望を聴取する等して積極的にご検討いただけると、更に良いシステムになっていくと思います。
今後火葬件数は増加していく見込みとなっていますし、施設の老朽化等による火葬場の建て替えも検討されている自治体が多くあるかと思います。 斎場予約システムをはじめ、斎場管理関連のシステムはそういった火葬需要の増加等に伴い、ますます重要性が増していくものと推察されますが、導入事例等を活かし、より良い機能、技術等の向上に期待しています。
お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
Yecの斎場施設システムについて、詳しくはこちらをご覧ください。
※ 取材日時 2018年3月