システム導入の背景
「Seagull-LC斎場予約システム」の導入に至る経緯として、最初にYECを知ったきっかけを教えてください。
従来、平塚市では電話で予約を受け付け、その内容を台帳に記載して管理していました。しかし、空き状況を公開していなかったため、予約受付に加えて、空き状況の確認に対する電話対応も必要であり、1日平均30件ほどの電話対応が求められていました。この電話対応が職員の他業務に影響を与えているほか、葬祭業者にとっても毎回電話で確認が必要であったため、手間がかかるという業務課題がありました。
そもそも火葬炉専用の予約システムがあることを知らず、各社の紹介資料を見た際に初めて火葬炉専用システムを提供する企業が存在することを知りました。システムを導入することで電話対応による事務負担が解決され、葬祭業者が空き状況を確認しながら業務を進められる利便性を考慮し、システム化の検討を開始しました。
YECを知るきっかけになったのは、神奈川県内市町で火葬業務に関する情報交換を行い、斎場業務に関する話をする「火葬行政連絡協議会 」で、近隣都市にシステム導入状況の確認を通じて知る機会がありました。神奈川県内での導入実績があったことから、YECへ相談することになりました。
「Seagull-LC 斎場予約システム」の活用概況
現在、弊社の「Seagull-LC斎場予約システム」をどのように活用されていますか?役立った場面や気に入っている機能などについて具体的に教えてください。
主に葬祭業者の方が施設の空き状況の確認や予約登録として活用しており、職員は予約の受付内容や予約状況の管理に活用しています。特に、利用登録をしている葬祭業者向けにメールでお知らせを一斉送信できる機能が非常に便利で、気に入っています。
具体的には、システム導入前は「炉の修理による利用枠の変更等」のお知らせをする際に、葬祭業者の連絡先をとりまとめ、文章を作成・印刷し、封書で発送する必要がありました。しかし、導入後はシステム画面でお知らせの文章を作成して、送信処理をすれば対応ができるようになりました。
他にも、火葬前には死亡届を提出していただく事が必要ですが、「予約されているが死亡届が提出されていない」方がいないかを確認するには、システム導入前は紙による予約一覧表から1件ずつ確認する必要がありました。システム導入後は、火葬時間が近づいているのに死亡届がない場合は、システムが注意喚起をしてくれるため、簡単に確認作業ができて大幅に効率化され、業務が非常に助かっています。空き状況の確認や予約受付に関する電話対応が不要になった点は、大きなメリットです。
構築業務におけるYECへの評価
システム構築におけるYECの対応についてお聞かせください。
他のシステム導入では予定が遅れることが多い中、YECの「Seagull-LC斎場予約システム」の導入は、打ち合わせから本番稼働まで、すべてがスケジュール通り進み、大変助かりました。今回のシステム調達は補正予算で行ったため、契約を秋頃に結び、3月の繁忙期前にあたる2月の稼働を希望していましたが、他社ではスケジュールが短すぎて対応が難しいと言われていました。そのような中、YECは短期間での導入作業にしっかりと対応してくれました。
また、打ち合わせはデモサイトを見ながら確認でき、こちらから変更をお願いした際にも、すぐにテスト環境に設定を反映してくれたため、私たちも十分な確認時間が取れて、スムーズに進めることができました。
システム化による影響
電話やFAX、紙による運用からのシステム化でしたが、稼働後の現場でのギャップや葬祭業者の混乱などはありましたか?
平塚市聖苑では指定管理を導入して運用しています。システム導入前は予約情報を共有するために1日2回、市民課から平塚市聖苑へ予約一覧表をFAXで送っていましたが、システム導入後は双方が同じシステム上でリアルタイムに確認できるようになり、大変助かっています。
システム導入にあたり、平塚市聖苑の指定管理者は、システム化に対する不安がありました。そのため、いままで運用していた紙の予約一覧表をシステム上の予約一覧画面で再現してもらうことで、システム利用に対する不安が解消されました。また、システム導入の話を進める中で、今までの予約情報には不足があったことがわかり、入力項目を追加してもらったことで、システム導入前よりもスムーズな運用が可能になりました。
今回のシステム構築、操作研修、導入直後の対応を担当者2名で行いました。同じシステムを使用している近隣自治体が存在していたこともあり、葬祭業者の理解度も高かったため、いくつか質問はあったものの、担当者2名で十分に対応可能でした。結果として、運用もスムーズに進み、順応することができました。
「Seagull-LC 斎場予約システム」導入後の効果
予約業務の効率化について、どのような効果がありましたか?
最も大きな利点は、空き状況の確認や予約受付に関する電話対応が不要になったことです。死亡届や許可書の発行など確認する時間を考慮して、直前の予約はシステムでは受け付けていないため、電話対応となりますが、通常のシステムを利用した予約については一切電話が鳴らなくなり、大変助かっています。
「Seagull-LC 斎場予約システム」パッケージ機能について
今回平塚市では基本的にパッケージ標準(カスタマイズがほとんどないもの)を導入しておりますが、実際に使われてみて機能に対する満足度はいかがですか?
パッケージ標準の機能でも予約受付や葬祭業者へのお知らせがスムーズに行え、特に不満はありません。導入における打ち合わせでも、こちらの要望がパッケージ標準の機能で十分に備わっており、YECから「できません」と言われることはありませんでした。標準機能の範囲内で要望を実現してもらえたと感じています。運用していく中で新たに気づいた点もありますので、今後、相談できればと思っています。
先輩ユーザーからのアドバイス
現在、斎場施設向けのシステム導入を検討している自治体に「先輩ユーザー」としてアドバイスをいただけますか?
現在、「電話予約+手書き」で運用をされている場合は、事務負担が大きいと感じているかと思いますので、システム導入を検討する価値はあると思います。斎場施設向けのシステムにはサイネージなどの運用システムもありますが、当市では予約システムのみの導入であっても、導入前に比べて事務負担が大幅に軽減されました。空き状況の確認や予約受付業務に負担を感じているようであれば、システム導入を検討してみると良いかもしれません。
ワイイーシーソリューションズへの今後の期待
システムやYECに関して、もっとこうだと良いな、と思う点があれば教えてください。
「Seagull-LC斎場予約システム」は、機能が簡潔でわかりやすく、非常に使いやすいシステムだと感じています。一方で、管理メニューにおいては、ユーザーに付与されている権限がやや限られている印象も感じました。しかし、導入前に希望していた機能はすべて網羅されており、特にこれ以上の要望はありません。今後、システム運用の中で新たな気づきや機能に関する要望があれば、ぜひ相談していきたいと思っています。

お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※取材日時 2024年10月